健康的な睡眠時間

「8時間睡眠」の誤解。健康リスクが低い睡眠時間は?

「睡眠は人生の1/3を占める」と言われることが多いですね。

単純に計算すると24時間の1/3=8時間ということで、「8時間睡眠」という言葉をよく耳にしたり、
8時間の睡眠が標準的あるいは理想的と思われがちです。

しかし、実際のデータと照らし合わせると、少しちがった結論が見えてきます。

私たちの睡眠時間には個人差があるため「何時間眠らなければいけない」ということはありません。 成人の場合、一般的に死亡リスク・生活習慣病リスクが低いのは、睡眠時間7時間前後であると言われています。

大切なのは「長さ」ではなく「適切さ」

睡眠時間は、平均や「8時間」にこだわる必要はなく、
自分にとって適切な睡眠時間を見つけることが大切です。
朝、目が覚めた時、眠気やだるさがないこと。
午後2時前後をのぞいて強い眠気を感じないこと。
1日を元気に過ごせること。
これらの条件を満たしていれば、それは睡眠時間が足りている、
あなたにとっての適切な睡眠時間だといってよいでしょう。
反対に、この目安に当てはまることがあったり、
休みの日にかなり長時間眠って日頃の睡眠時間をカバーしようとしている人は、
睡眠が足りていないかもしれません。
一方で、年代によって 必要な睡眠が違います。
大人にとってはもちろんのこと、脳も体も成長過程にある子どもたちにとって、
睡眠時間はしっかり確保する必要があるのです。


睡眠の役割は大脳を休ませること

どのくらい眠ればよいのか、ということは、睡眠の役割を考えることに繋がっていきます。
私たち人間にとっての睡眠の役割は、発達した大脳を休めることにあります。

人間の大脳の中でも、認知機能を司る前頭葉(ぜんとうよう)や、

感覚の処理や運動をつかさどる頭頂葉(とうちょうよう)は、

人間に近いゴリラと比較しても非常に発達したものです。

人間にとって、この発達した大脳を休ませ、脳と身体の疲れをとり、

心身の機能を回復させるのが「睡眠」です。

睡眠が不足すると、この前頭葉と頭頂葉の脳機能がまず低下します。

集中力の低下や注意維持・記憶などに障害が出たり、

感情制御機能が低下したり、免疫機能や代謝機能にも異常が出てきて、

血圧を上昇させたり肥満につながります。

そして、快適な睡眠は、しっかり眠るという「量」だけではなく、「質」も大切です。

私たちの身体は、寝ついてから朝目覚めるまでの間に様々な機能が働いています。 睡眠が安定してとれ、それら機能がきちんと働くことが質のよい眠りなのです。