花粉

アレルゲンの花粉を吸い込むと、体の中でIgE(免疫グロブリン)抗体というたんぱく質が作られます。IgE抗体は全身に広がりますが、とくに鼻の粘膜などに集まり、肥満細胞と呼ばれる細胞となります。これを感作状態といいます。
 新たにアレルゲンの花粉を吸い込むと、花粉と肥満細胞に付着しているIgE抗体が結びつき、その反応の結果、肥満細胞の中からヒスタミンなどの化学伝達物質が飛び出し、様々な症状を引き起こします。
 特定の花粉に対し、遺伝的にIgE抗体をつくりやすい人が、花粉症になりやすいと考えられています。また、大気汚染、なかでも車のエンジンの排出粒子による汚染が、花粉症の発症に関与しているのではないかとの指摘があります。ディーゼル排出粒子と花粉の抗原が反応し、これがアレルゲンになっているのではないかというわけです。
 ほかに、猿と人間の比較研究を元にして、花粉症の患者の増加は寄生虫を体内から追い出したことに関係があるとする研究もあります。IgE抗体は本来、寄生虫をやっつける働きをしています。しかし、公衆衛生の発達で寄生虫が少なくなり、敵がいなくなったため、花粉を仮想敵にしてアレルギー反応を引き起こすのではないかという説です。

次に、東洋医学の観点から「花粉症」を考えてみましょう。
 花粉症の原因は、「気・血・水」のバランスがが崩れ、免疫力が低下している時に、慢性ストレスにより「内熱」がおこり、アレルギーを引き起こします。または、胃腸の機能が弱かったり、暴飲暴食により胃腸を傷つけ、余計な「湿」が体内にたまってしまい、ソレにより体力や免疫力が落ちてアレルギーになりやすくなります。 
 中医学の古典『黄帝内経』に「体内に正気があれば、邪気は体に侵入できない。しかし正気が弱くなり邪気が体内に入ると至るところに病気をもたらす。」と記されています。中医学では、扶正去邪という治療方針を行います。これは衰えた体力と免疫力を助けることで、病気を治していく方法です。

予防法は、アレルゲンである花粉を吸い込まないようにすることが大事です。外出の際にマスク・眼鏡を使用しましょう。家に入る前には衣服についた花粉をよく取り払い、その後、洗顔・洗眼・うがい・手洗いしましょう。
 ストレスの解消及び体力増進の目的で軽い運動しましょう。
 便秘しないように繊維質のものや消化のよいものを食べ、おなかを冷やさないように気をつけ、刺激物は避けましょう。